短期滞在ビザの親族訪問とは?手続き方法から申請の注意点までを解説
観光や仕事、親族訪問などが目的の一時滞在者に対して、査証を必要としない相互査証免除措置があります。
しかし、中国やロシア、フィリピンなど査証免除取り決め国以外の国から両親や兄弟姉妹を呼ぶ場合、親族訪問事由での「短期滞在」の在留資格が必要です。
短期滞在ビザには15日、30日、90日の3種類があり、さまざまな書類や手続きを経て取得を行います。
今回は、ビザの親族訪問とは何か、手続きの方法・必要書類、申請のポイントと注意点について解説します。
目次
短期滞在ビザの親族訪問とは?取得の必須条件について
滞在予定が90日までの場合、短期滞在ビザを取得して入国することが可能です。
俗に観光ビザと呼ばれているものです。
短期滞在の在留資格を取得する際は、「親族訪問」あるいは「商用」目的で申請を行います。
短期滞在ビザの親族訪問とは、査証免除取り決め国以外に住む三親等以内の親族を短期間日本に呼ぶための入国申請です。
取得の必須条件として、日本で暮らしている人(招へい人)が日本に住民票を持つことが挙げられます。
また、中国の人を呼ぶ場合、3年以上の在留期間が許可されている身元保証人が必要です。
そして、一定の在留資格および地位を有していなければなりません。
「外交」「公用」「永住者」「日本人の配偶者等」「永住者の配偶者」「定住者」「特定滑動」「特別永住者」であっても、被扶養者の人は身元保証人になれません。
出典:外務省 海外渡航・滞在
ビザ申請を親族訪問で行うときの必要書類や手続きの流れ
短期滞在ビザの申請を行うには、該当国にある在外公館(大使館もしくは領事館)で招へいされる人が手続きを行います。
ここでは、ビザ申請を親族訪問で行う際に必要な書類や手続きの流れをご説明します。
短期滞在ビザ申請で必要な書類
中国人の親族を招へいするためには、日本の招へい人・保証人が準備するものと中国の親族が準備するものと大きく分けて3種類の必要書類が必要です。
日本の招へい人が準備する書類
・招へい理由書
・申請人名簿(ビザ申請人が複数名入る場合)
・招へい経緯書
・滞在予定表
・住民票(世帯全員分で続柄記載があるもの)
・在職証明書
・法人登記簿謄本(会社経営者の場合)
・営業許可証の写しまたは確定申告書控の写し(個人事業主の場合)
・有効な在留カード表裏の写し(外国人の場合)
日本の身元保証人が準備する書類
・身元保証書
・住民票(世帯全員分で続柄記載があるもの)
・在職証明書
・法人登記簿謄本(会社経営者の場合)
・営業許可証の写しまたは確定申告書控の写し(個人事業主の場合)
・収入の証明書(市区町村発行の課税(所得)証明書、税務署発行の納税証明書、税務署受理印のある確定申告書のいずれか1点)
・有効な在留カード表裏の写し(外国人の場合)
・残高証明書
中国から招へいされる人が準備する書類
・査証(ビザ)申請書
・6ヵ月以内に撮影した写真
・旅券(パスポート)
・戸口簿写し
・暫住証または居住証明書
・親族との関係を証明する書類(親族関係公証書、出生医学照明等)
・招へい人と一緒に写っている写真、メールの履歴、国際通話証明書等
短期滞在ビザ申請の手続きの流れ
ビザ申請を行う際の手続き方法や流れは、以下の通りです。
1.日本国内に住む招へい人や身元保証人がビザ申請のための必要書類を準備する。
2.書類がすべて揃ったら、中国に住むビザ申請人に送付する。
3.ビザ申請人が中国国内で必要書類を準備する。
4.すべての書類が揃ったら、ビザ申請人が原則として現地の日本大使館または総領事館指定の代理申請機関で申請を行う。
5.日本大使館または総領事館における審査が行われる。
なお、審査期間は通常1週間程度です。
ただし、申請内容に不備などがある場合は、審査終了までに1週間以上かかることがあります。
また、発給されたビザの有効期限は3ヵ月で延長はできません。そのため、期限内に入国審査を受けるようにしてください。
ビザ申請を親族訪問で行うときのポイントと注意点
親族訪問を利用するときのポイントや注意点をまとめました。
必ずしもビザが発給されるとは限らない
必要書類を揃えて申請を行ったからといって、必ずしもビザが発給されるとは限りません。
審査に必要とみなされれば、追加資料の提出が求められることもあります。
実の両親や兄弟姉妹を招へいする場合でも、親族訪問が認められないケースも少なくありません。
ビザ発給拒否にならないためにも、事前の準備をしっかりと行うことが望ましいです。
特に、招へい人が作成する「招へい理由書」「招へい経緯書」が重要となります。
日本に呼びたい人といつどこでどのように知り合ったかはもちろん、なぜ招へいしたいのかという理由の裏付けがビザ発給可否を大きく左右します。
行政書士などの専門家に作成を依頼することも検討しましょう。
報酬を伴う活動はできない
短期滞在ビザでは、日本国内で報酬が発生する活動を行うことは認められていません。
短期商用で申請する場合でも、業務連絡や会議、商談、交流を目的とした活動のみが許可されています。
就労活動もできないため注意が必要です。
日本で就労活動したい場合は、短期滞在ビザで招へい後、在留資格を「特定活動」に変更申請する方法もあります。
まとめ
ビザの親族訪問とは何か、手続きの方法・必要書類、申請のポイントと注意点について解説しました。
ビザの申請には、さまざまな書類が必要です。
提出した書類の内容に問題があれば、時間をかけて準備を行ってもビザが取得できない可能性もあります。
法律の専門家などに相談し、計画的に作成していくことが望ましいでしょう。
ビザの親族訪問でお悩みの場合は、行政書士こせきみえこ事務所へご相談ください。